だいたいの土鍋(本体)は、使い初めに目止めが必要です。
※目止め:片栗粉やとぎ汁を使って陶器(土もの)、土鍋の見えない穴をふさぐこと
では、
土鍋についてくる蓋(ふた)にも、目止め処理のようなものが必要なのでしょうか。
蓋も、土鍋本体と同じような材質でできていそうなので、目止めしておいた方が良いような気がする…
と思って調べてみたところ、
直火にあたらない蓋の部分は、目止めしてもしなくてもどちらでもよいことがわかりました。
どちらかというと、取扱説明書に記載がない限りは、蓋は目止めしない人が多かったです。
蓋の目止めをしなくて良い理由
確かに、蓋も目止めをすると割れづらくなります。
しかし、蓋に塗られている釉薬(ゆうやく)が、水を通しづらくしているのも多いので水漏れがしにくい他、
目止めせずに使っていても、実際に調理するときは蓋に直火をあてて負担をかけるわけでもなく、たとえ蓋から水が漏れたとしても、特に調理に不具合もないからです。
土鍋本体を目止めするときは蓋はする?
ところで、土鍋本体の目止めの際に蓋はした方が良いのでしょうか。
結論から言えば、土鍋本体を目止めで加熱する際も、蓋はしてもしなくても良いとのことです。
むしろ、
土鍋本体を目止めする際に、蓋をしてしまうと、わりとはやく沸騰してしまうので、その分だけ、土鍋本体に目止めのでんぷん質がしみこむ時間が短くなってしまうので蓋はしない方が良いそう。
取扱説明書に、特に蓋についての記載がなければ本体の目止め中は、蓋はしなくてOKです。
もし、蓋の目止めをするなら
もし、蓋も目止めしようと思ったらどうすれば良いかというと、土鍋ではない一般的な陶器の目止めと同じように行うことになります。
蓋がつかるような、サイズの大きい鍋を用意しましょう。
土鍋の蓋の目止め方法
1)鍋に米のとぎ汁をいれて、土鍋の蓋をしずめる
2)ごはんを入れて弱火にかけて沸騰後20分ほど煮沸する
3)鍋のまま冷ます
4)蓋を洗って、しっかり乾燥させる
一般的な土鍋本体の目止め方法(取り扱い説明書に記載があれば従う)
1)乾かした土鍋本体に8分目まで水を入れる
2)片栗粉、小麦粉、ごはんなどでんぷん質が含まれる食材をとかす。
3)蓋をしないで弱火で1時間加熱
4)コンロからおろして、常温で冷ます(土鍋によっては5時間くらいかかる)
5)洗ってしっかり乾かす
鍋のあとはおじやにするなどして、最初の目止め後も定期的に目止めをすると良いです。
土鍋の蓋が割れたらどうする?
もし、土鍋本体ではなく、土鍋の「蓋」が割れてしまったら修復する方法はあるのでしょうか。
蓋の割れ具合によって、いくつか方法はあります。
やすりでととのえる
持ち手などがちょっと欠けた程度なら、やすりなどをつかって、とがった部分をなめらかにするのも良いそうです。
金継ぎする
蓋が真っ二つに割れてしまったなら、金継ぎ(きんつぎ)という、漆や金を使って直す昔からある方法です。
市販の接着剤だと、食品に直接触れる器に使用していいのか迷いますが、金継ぎに使う漆や金で補修するのは、食品が触れても問題ありません。
修復したところが、金色になりますが、それが器の見栄えに良い味を与えます。
金継ぎのプロに頼むこともできますが、キットがあれば、蓋なら自分でもできます。
※蓋は金継ぎ可能ですが、土鍋本体の割れにはおすすめされていません。
蓋のみ購入
また、メーカーによっては、土鍋の蓋の部分だけ売ってくれるところもあります。
土鍋は、使い続けて育てている人も多いので部分購入できるのはありがたいですね。
ほかの蓋で代用
蓋の大きさが合うならば、他の鍋の蓋を土鍋に使用することもできます。
土鍋の本来の物に比べて、ピッタリ具合(フィット感)は落ちるかもしれませんが、料理によってはそれで使い続けることもできます。
おわりに
土鍋は、蓋のデザインも本体と合わせてとても素敵です。
目止めは必要ないものの本体と一緒になるべく長く大切にしていきたいですね。
※こちらは2021年4月に書いた記事です。